赤ちゃんが生まれると、しばらく旅行に行くのは難しい…。
それなら妊娠中の体調のいい期間に旅行へ行っておきたいなと思う妊婦さんも少ないないのではないでしょうか。
今、マタニティ旅行(マタ旅)をする妊婦さんは増えているといわれています。
しかし妊娠前と同じようにはいきません。マタ旅したいなと思っている方は、妊娠中の旅行のポイントについてぜひ知っておいてください。
目次
旅行に行ってもいい時期はいつからいつまで?
妊娠中は、体調が落ち着いていてもいつでも旅行に行っていいという訳ではありません。
妊娠初期はまだ胎盤も完成しておらず、赤ちゃんも非常に不安定な時期です。
近場であったとしても、移動による疲労や環境の変化で体調を崩しやすいため、妊娠初期の旅行は避けるべきです。
多くの妊婦さんがつわりの時期とも重なるので、旅行に行くどころではないかもしれませんね。
妊娠後期になると、お腹がだいぶ大きくなり、思うように体を動かせなかったり、足元が見えづらいため転倒のリスクも高くなるので、知らない場所に出かけることはオススメできません。
また、突然の破水は陣痛も考えられるので、妊娠後期も旅行は避けましょう。
マタニティ旅行の計画は、安定期と呼ばれる妊娠16週〜28週(妊娠5〜7か月)がいいでしょう。
この時期に体調が安定しており、妊婦検診などで母子ともに異常がなければ旅行に行くのもいいかもしれません。
念のため主治医に相談してから旅行の計画を立てるとより安心です。
しかし、安定期が絶対安全な時期という訳ではないことを忘れないようにしましょう。
旅行の行き先は?
旅行先までの距離は、できれば車や電車で2〜3時間で帰って来られる場所が良いです。
旅行先でもし何か起こった時に、近くの産科を探すのは大変ですし、産科が見つかったとしても、経過がわからないため適切な処置を受けるまでに時間がかかったり、受け入れを嫌がられることがあるからです。
どうしても行きたい場所が遠方の場合は、もしもの時のために下調べをし、主治医に相談してください。
特に海外旅行を希望している場合は、必ずかかりつけの産科に報告してくださいね。
旅行先として人気なのが温泉です。
腰痛や足のむくみを解消するために温泉に行きたいと思う方も多いと思います。
実は2013年頃までは「妊娠中は温泉への入浴を避けるべき」と環境省が定めていたため、妊婦は温泉に入らせてもらえなかったのです。
しかし、2014年に医学的根拠がないためこの項目は削除され、妊婦も温泉を楽しむことができるようになりました。
妊娠中はのぼせやすかったり、足元が不安定になっている上に温泉の床は滑りやすいので、十分注意して温泉を楽しむようにしましょう。
また、あまりないのですが、妊娠中の入浴を断る温泉宿もあるので、予め確認しておいた方が無難です。
行き先はテーマパークというのもダメではありませんが、激しいライドに乗車したり、1日中歩き回るのは控えましょう。
旅行先での目的が、ダイビングやクライミングなどのアクティビティである人は少ないと思いますが、妊娠中は妊娠前とは違うことを決して忘れないように行き先を決めてくださいね。
移動手段は?飛行機に乗っても大丈夫?
移動手段は、できるだけマイカーやレンタカーにして、運転は一緒に旅行に行く人にお願いするのが良いでしょう。何かあった時に対応しやすいからです。
電車や新幹線、バスなどの公共の交通機関を利用する場合は、念のためエチケット袋を用意したり、こまめに水分補給ができるように準備してから乗車するようにしましょう。
飛行機は、気圧の変化や揺れ、湿度の低下などで体調が悪くなったり、出発地と到着地の気候の変化が大きい場合があるのであまりオススメはできませんが、飛行機での移動が必要な場合は、トイレに行きやすい通路側の座席を選び、出産間際の乗車には、医師の診断書が必要な航空会社もあるので確認しておくことが必要です。
マタニティ旅行での注意点は?
1.移動時間と移動距離
長時間の移動は、狭い空間で同じ姿勢でいることが長くなるということ。
妊娠中は特に腰痛や足への血流が悪くなりやすいので、車や電車の場合はこまめに休憩をし、少し歩くにもいいと思います。
新幹線や飛行機の場合はすぐに停まって休憩というわけにはいきませんので、足首を回したり、ふくらはぎをマッサージするなどして疲れが溜まらないようにしましょう。
2.旅行プランは余裕をもって
せっかくの旅行だから、あれもこれもしたいと思う気持ちも分かりますが、予定をぎっしり詰め込みすぎると、疲れてしまい赤ちゃんに危険が及ぶこともあります。
疲れたらすぐに休憩できるような時間的余裕を持った旅行プランを立てましょう。
3.体を冷やさない
体が冷えると、お腹の張りが強くなりやすく、足のむくみがひどくなることも。
旅行先では普段とは気温の変化が違うこともあるので、体の冷えには要注意です。
4.重いものは持たない
旅行先では、つい重い荷物を持ってしまったりしますが、キャリーバッグや宅配便などをうまく利用し、重いものを持って過度に腹圧がかかってしまわないようにしましょう。
5.もしもの時のための下調べをしておく
旅行中も無理をしなければ、トラブルが起こることは少ないですが、それでも何が起こるかわかりません。
道中の病院を調べておいたり、旅行先の産婦人科の連絡先をケータイに保存しておくなどの準備をしておくと安心です。
旅行に持って行くもの
- 保険証:もしも医療機関にかかる場合に
- 母子手帳:もしもの場合、妊娠の経過をスムーズに伝えるために
- ナプキン:もしもの出血などのために
- 羽織るもの:寒さ対策
- ブランケット:寒さ対策
- 処方されているお薬があれば:市販薬はなるべく避けたいので
- ビニール袋:エチケット袋や汚れ物を入れる袋として)
まとめ
妊娠中は、体や心の変化のために様々なストレスを感じやすい時期でもあります。
妊娠の経過に問題がなく主治医の許可も出て、無理をせずにゆっくり楽しむのであれば、マタニティ旅行はいい気分転換になり、素敵な思い出にもなるので、決してダメなことではありません。
赤ちゃんとお母さんの体を大事にしながら、マタニティ旅行を楽しんでみてください。