後期つわりという言葉をご存知ですか?
つわりと聞くと、ほとんどの人が妊娠初期に起こる吐き気や嘔吐などをイメージすると思いますが、実は一旦落ち着いたつわりの症状が、妊娠後期になって再び現れることがあるのです。
すべての人に起こるわけではないのですが、もしかしたらあなたにも起こるかもしれない後期つわり。
今回は原因や対策についてお伝えしたいと思います。
目次
後期つわりとは
つわりは、早い人だと妊娠5〜6週目頃から始まり、多くの人が妊娠13〜15週目頃には落ち着いてきます。
安定期に入り、楽しいマタニティライフを過ごして、赤ちゃんに会えるまでこのままと思っていると、つわりの再発のような症状が現れることがあります。
一旦落ちつたつわりが、妊娠中期〜後期に入ったあたり、多くは妊娠26週(妊娠7か月)頃に再びつわりのような症状が現れることを、後期つわりまたは第2つわりといいます。
後期つわりの原因
1.大きくなった子宮が、胃などの臓器を圧迫する
子宮が大きくなるにつれて、みぞおちの辺りにあった胃がどんどん上へと押し上げられていきます。
胃が圧迫されることで、胃もたれや胃痛を感じ、また食べ物が入りにくい状態になります。
横隔膜も圧迫されるため、肺や、心臓にも影響が及び、息切れや、動悸など原因となることがあります。
2.胃酸の逆流
胃が圧迫されることで、胃で分泌された胃酸が、食道へと逆流してしまうことがあります。
すると、胸やけや吐き気を引き起こしてしまいます。
3.腸が圧迫される
子宮は上に胃を押し上げるだけでなく、腸を下へと押し下げてしまいます。
腸が圧迫されると上手く動くことができす、便秘が起こります。
妊娠中はホルモンの関係などで便秘になりやすいのですが、さらに便秘を悪化させてしまうことで、吐き気や倦怠感などのつわりの症状が現れることがあります。
4.ホルモンバランスの乱れ
ヒト胎盤性ラクトゲン(hPL)、卵胞ホルモン(エストロゲン)、黄体ホルモン(プロゲステロン)が関係しているといわれています。
特にhPLは、胎盤から分泌されるホルモンで、妊娠中のみ分泌され、その量は出産するまで増え続けるといわれていいるため、後期つわりにも深く関係していると考えられています。
5.胎動
赤ちゃんが大きくなるにつれて、胎動も激しくなります。
また、赤ちゃんの動けるスペースが日に日に狭くなり、胎動の度に子宮の外への衝撃が大きくなります。
すると胎動が胃をダイレクトに揺らしてしまい、吐き気を催すことがあります。
後期つわりの症状
- 吐き気
- 胸やけ
- 胃もたれ
- 胃痛
- げっぷ
- 倦怠感
- 息切れ
- 動悸
- 便秘
後期つわりはいつまで続く?
一般的には妊娠37週を過ぎると、症状が落ちつてくることが多いといわれています。
赤ちゃんが出産に向けて下がってくるため、胃や横隔膜の圧迫が軽減されるためと考えられています。
しかし、出産するまで続く人もいますし、出産直前に強い吐き気を催す人もいます。
後期つわりの対策は?
1.食後30分は横にならない
食べたものや胃酸が逆流しないように、食後30分以上は座ってゆっくり過ごしましょう。
2.刺激物や味の濃いもの、脂っこいものは控える
食道や胃を直接刺
激してしまい、胃もたれや胸やけの原因となります。
また消化が悪いので、胃酸の分泌量の増加につながったり、胃に長時間食べ物が残ってしまいます。
3.食事中や食後すぐの水分摂取を少なくする
水分を食事中に多量に摂取すると、胃酸が薄まり、消化が悪くなってしまうことがあります。
食事中〜食後2時間の間の水分摂取はほどほどに。
4.1回の食事量を少なくし、食事回数を増やす
満腹は、症状の悪化に繋がります。
1回の食事の量は腹八分目以下にとどめ、その代わり各食事の間に少しずつ食べるようにしましょう。
5.お腹が締め付けられないようにする
胃や腸などがさらに圧迫されないようにしましょう。
腹帯などを使用している人は特に注意し、服装や座り方などにも気をつけましょう。
6.無理をせず休む
症状が強く現れた時は、ゆっくり休むようにしましょう。
お仕事をされている人も、有給などを使って産休の前倒しができる場合もあるので、職場で相談してみるのもよいと思います。
7.重症の場合は医師に相談する
食事や水分をほとんど受け付けなくなった、食べていないのに嘔吐を繰り返す、おしっこの回数が極端に減ったなどの症状が現れた時は、迷わず医師に相談し対応してもらいましょう。
まとめ
後期つわりは、子宮が大きくなることが1番の原因です。
子宮が大きくなっているということは、赤ちゃんが成長している証拠であり、喜ばしいことなのですが、やはりママにとってつわりはしんどいもの。
ママの症状が少しでも和らぐように対策し、赤ちゃんに会えるまでのあと少しと考えて、上手く付き合っていきましょう。