小児の弱視治療によく使われるアイパッチ。
極端に言うと、良い方の目の視界を遮ることができれば何でも良いのですが、どのようなものを選べば一番いいのか迷うこともあると思います。
また、アイパッチをすることを怖がったり、嫌がったりする子も少なくないと思います。
アイパッチによる弱視治療は長ければ10歳頃まで続けるため、どのようなものを選び、どのように上手く付き合っていけば、よいのでしょうか。
私の子どもも弱視疑いの診断があったため、アイパッチを使用して治療をしています。その経験も踏まえて、治療用のアイパッチについてお伝えしたいと思います。
目次
アイパッチの種類とメリット・デメリット
アイパッチは大きく分けると2種類あります。それぞれメリット・デメリットを次の通りですので、特徴を知ったうえで使用してください。
テープタイプ
目に直接貼って使います。
メリット
- 隙間なくしっかりと目を覆うことができるので確実に視界を遮断できるため、隠していない方の目だけを使うことができる。
- 使い捨てなので衛生的(そのため、基本的には、テープタイプのアイパッチでの治療が勧められます。)
デメリット
- 肌の弱い子はテープでかぶれてしまうことがある。
- 皮膚トラブルがある場合などは使えないこともある。
- 使い捨てのためコストがかかる。
布タイプ
メガネに付けて使います。
メリット
- テープタイプより肌への負担が少ない。
- 何度も繰り返し使うことができ経済的。
デメリット
- メガネが重たくなり、ズレやすい。
- 顔とアイパッチの間に隙間ができやすく、確実に視界を遮断することが難しい。
知ってほしいアイパッチの選び方
アイパッチは大きく分けて2種類しかないため、あまり迷うことはないかと思います。しっかりと視界を防げていれば、どちらを選んでも良し悪しはあまりないかと思います。
私のオススメとしては、2種類のアイパッチを併用することです。
どちらの種類を使用するかは、アイパッチをする時間で決めます。
アイパッチをする時間が短い場合、布タイプの使用をオススメします。
なぜかというと、テープタイプだと一度はがすと粘着性が悪くなり、再度使用する際はくっつかない場合があるからです。
また、短い時間だと布タイプのアイパッチのデメリットであるズレてくる回数も少なく、気軽にアイパッチができます。
布タイプのアイパッチは、メガネに合わせた大きさのものを使うことになりますが、テープタイプのアイパッチには、乳児用(0〜2歳)、小児用(3歳以上)、大人用など幾つかのさいずがあります。
年齢は参考程度に、子どもの目がしっかりと覆えるサイズのものを選んでください。3〜4歳のお子さんでも、乳児用でしかっり目が覆えていれば問題ありません。ちなみに、私の娘は4歳になるまでは、乳児用を使用していました。
アイパッチを嫌がらずにしてもらうためにした4つのこと
私の子どもが初めてアイパッチをした時は、とても嫌がってなかなかアイパッチをしてくれませんでした。なぜアイパッチをしたくないのか聞いてみると、片目が見えなくて怖いのと剥がす時に痛いのではないかという怖さがあったみたいです。これはどの子でも同じようなことを思うのではないでしょうか。私の子が嫌がらずにできるようになるため、次のことをしました。
1.まずは手の甲や腕などに貼ってみる
いきなり目に貼るのではなく、手の甲などに1枚貼ってみて、剥がす時に痛くないことを分かってもらい、恐怖心を取り除きアイパッチに慣れてもらいましょう。
2.アイパッチをデコレーションする
子どもに好きなシールを選んでもらい、アイパッチに貼ったり、一緒に絵を描いたりするとアイパッチを嫌がりにくくなります。
私は絵が下手なので、絵を描いたアイパッチをして外出すると少し恥ずかしいですが、気にしない(笑)。
3.無理強いをしすぎない
アイパッチは治療のため、指示通りの時間していなければといけないと思ってしまいますが、嫌がっているのに無理やり続けると、翌日から全くアイパッチを受け入れないなんてことも。どうしても嫌がる時は、一旦外して休憩させてあげるなどの対応も必要です。
4.使用時間の記録をつける
その日何時間アイパッチをつけていられたか、アイパッチをつけている間何をしたかを簡単でいいので毎日記録しておきましょう。今日は昨日よりもたくさんアイパッチをしたねなど褒めてあげると子どもも喜ぶので、次の日もご機嫌にアイパッチをしてくれるようになります。
また、眼科受診の際にその記録を見せることで、主治医や視能訓練士が評価しやすくなり、より効果的な治療を進めることにもつながります。
まとめ
弱視治療のためのアイパッチ着用は、できる限り毎日欠かさないことと、長期間の継続(長ければ10歳頃まで)が必要になります。
だからこそ、子どもにあったものを選び、アイパッチと上手く付き合っていくことが重要になります。
親が主導でアイパッチ治療を進めていくのではなく、子ども主導で進めていくことを忘れてはいけません。