2人目や3人目の子が生まれると上の子によく起こるといわれる赤ちゃん返り。
パパやママとしては大変ですよね。
しかし、赤ちゃん返りには大切な意味があるのです。
今回はそんな赤ちゃん返りの意味や上手な付き合い方についてお伝えしたいと思います。
目次
赤ちゃん返りとは
赤ちゃん返りとは文字通り、子どもが赤ちゃんの頃のような言動に戻ってしまうことを言います。
自我が芽生える2歳前後の子どもに起こりやすいといわれていますが、1歳〜6歳の幼児期の子どもに多く見られます。
弟や妹が生まれた時、あるいはママのお腹に赤ちゃんがいることを理解したときに始まることが多いのですが、一人っ子でも保育園や幼稚園への入園、引っ越しなどの環境の変化で赤ちゃん返りをすることもあるそうです。
パパやママ、周囲の人の関心が自分から離れてしまうことを寂しく感じ、赤ちゃんのような行動をすればかまってもらえるという心理が働いて起こる現象で、特に自立を求められる状況で起こりやすいといわれます。
赤ちゃん返りの具体的な行動6つ
- 今までできていたことができなくなる。
赤ちゃん返りの代表的な行動です。今まで自分でできていた食事や着替え、トイレや洗面などを急にやらなくなったり、失敗したりするようになります。 - 赤ちゃん言葉を使うようになる。
自分を赤ちゃんのときのように見せるために、今まで話せていた言葉が話せなくなったり、大人が話かけても分からないふりをして、会話が成立しなくなりことがあります。 - 過剰に甘えてくる
今まで以上に抱っこをせがんだり、パパやママから離れなくなることがあります。
また、おっぱいを欲しがったり、頭を撫でてもらいたがるなど、過剰にくっつきたがることもあります。 - 自己主張(わがまま)が増える
赤ちゃんの間は、泣くことで自己主張し続けますが、それで怒られることはありませんよね。成長するに連れて、周囲との関係や距離感などを学んでいくのですが、赤ちゃん返りが起こると、赤ちゃんの頃のように自分の欲求をすぐに満たしてもらいたくなり、わがままを頻繁に言うようになります。 - 反抗的になる
思い通りにならないと、すぐに物を投げたり怒るようになります。また、妹や弟に意地悪をすることもあります。 - おねしょをするようになる
これは意識的にしているのではなく、下の子と自分を比べることでストレスを感じていたり、環境の変化で精神的に不安定になっている場合などに、無意識におねしょをしてしまうことがあるといわれています。
実は大切な赤ちゃん返りの意味
赤ちゃん返りは、一見するとただのわがままに見えてしまいます。
せっかく頑張ってできるようになったトイレや着替えなどが出来なくなると、退行してしまったのではないかと感じてしまうかもしれません。
しかし、赤ちゃん返りは退行ではなく、ちゃんと成長している証なんです。
子どもは意味があって赤ちゃん返りしているのです。
赤ちゃん返りは、パパやママ、周囲の人の関心を惹きつけるために起こるとお伝えしましたが、この「関心」が「自尊心」の向上に大きな意味があります。
赤ちゃんは、自分ではまだ何も出来ません。
しかし、周囲の人は無条件に愛情を注ぎ、世話をします。
何かの役に立ったから愛されるわけではなく、その存在自体を周囲の人は必要とし、大切にするのです。
0歳〜3歳頃までに無条件で愛情を注いでもらうことで、「自分は存在しているだけでいいんだ」という自尊心が高まっていくといわれています。
自尊心は成長過程のベースに位置するものです。
自尊心の低い子どもは、「しつけ」や「学習」といった次のステップにスムーズに進めないともいわれます。
赤ちゃん返りは、「自尊心を確認する行為」であり、本当に出来ていたことが出来なくなったり、周囲の人を困らせてやろうと思ってやっているわけではありません。
赤ちゃん返りをしている子どもと上手く付き合えば、自立を求められ不安を感じていた子どもが自尊心を取り戻し、さらに成長していくことができるのです。
赤ちゃん返りと上手に付き合う方法
1.怒らないこと
なかなか難しいですが、これが1番大切です。
出来ていたことが出来なくなると、余計に手がかかり、ついイライラして「どうして出来ないの」「お兄ちゃん/お姉ちゃんなんだから」などど言ってしまいそうになりますが、怒ってしまうと逆効果。
自分も体力を使ってしまいますしね。
この時期は、出来ないのが当たり前という意識に切り替え、出来ないことは手伝ってあげましょう。
2.できるだけわがままに付き合ってあげる
危険がない範囲であれば、できるだけわがままに付き合ってあげましょう。
しかし、子どもが自らやろうとしたことまで大人がやってしまわないように注意してください。
また、欲しがるだけお菓子を与えたり、いつまでもゴロゴロと寝かせているなどは過剰な甘やかしになってしまうのでやめましょう。
3.出来たことを褒め、ありがとうを伝える
赤ちゃん返りをしていても、毎日一切何もせずに過ごしている子はいないはずです。
例えば、自分でボタンが留められた、下の子が泣いていることを教えてくれたなど、出来たことに着目し褒めたり感謝をたくさん伝えてあげましょう。
たとえ、今まで当たり前に出来ていたことでもかまいません。
褒められたり感謝されることは、多ければ多いほどいいのです。
4.スキンシップを増やす
抱っこをせがんだり、くっつきたがっている時は、できるだけくっついて過ごしましょう。
ママが赤ちゃんを抱っこしていると、上の子はママに抱っこしてもらいたがることがよくあります。
そんな時、パパがいれば、赤ちゃんがパパに任せて、上の子を抱っこしてあげてください。
それだけで、心が満たされます。
5.ひとりっ子時間を作ってあげる
赤ちゃんが寝ている時間などに家事をしてしまいたい気持ちもわかりますが、家事を後回しにしてでも、上の子とだけの時間を作ってあげてください。
一緒に絵本を読んだり絵を書いたりして「あなただけを見ているよ」ということを伝えてあげましょう。
まとめ
赤ちゃん返りは、決して無意味にわがままを言っているだけではありません。
赤ちゃん返りの本当の意味をきちんと理解し、上手く付き合っていくことで、子どもはますます成長します。
赤ちゃん返りをするほとんどの子どもは、ママの関心を特に引きたがるので、そんな時パパや周囲の人は、ママが上の子のために時間を使えるようサポートしてあげてください。
赤ちゃん返りの時期も、必ず終わりが来ます。
周囲の人の力も借りて、上手く赤ちゃん返りの時期を過ごしていきましょう。